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小田祇園祭 – 2025年祭りの夜

小田祇園祭の夜 ギャラリー
小田祇園祭の夜

今年も猛暑の2025年7月19日(土)、つくば市小田で早朝から深夜にわたる一連の祇園祭行事が執り行われました。
この記事ではクライマックスとなる、夜の様子をお伝えします。
(日中のシーンは次の記事をお楽しみにしてください。)

大獅子とお神輿の顔合わせ

勇ましい出陣の参切(さんぎり)太鼓が打ち終わると、「はい、いくぞぉ!」の大獅子保存会の会長の掛け声で、30人の担ぎ手が「わっしょい、わっしょい」と大獅子の巨体を動かしはじめました。
闇の中で風を切り、神藻(もく)の奥から黄金色の目が覗く姿は、まさに異様な生き物のよう。
人知を超えた怖れすら感じます。

小田中部と東部の間に張られたしめ縄、統示(とうじ)は大獅子とお神輿が互いに超えてはならない結界です。
そこで待つ大獅子に、勢いよく駆け込んできたお神輿がご神体を立てて高さを競い合いました。
「あげろ!あげろ!せーの!」「せーの!」
目の前で全力でもみ合う熱狂的な祭りの空気に、道路を埋め尽くした住民や観光客が、圧倒されながらもすっかり引き込まれていました。

闘いの終わりを告げる散切

顔合わせが最高潮に達した時、「たんたた、たんたた」とリズミカルな散切(さんぎり)太鼓が始まります。
これは闘いの終わりを告げる合図で、直径が1mほどもある大太鼓で打ち鳴らされます。
高ぶった気持ちを徐々に鎮めながら、最後の「たたん、たん」で大獅子とお神輿がピッタリ互いに鎮座する習わしです。

散切が終わると、双方が「今年もうまくいってよかった。ご苦労さん。」と拍手で労い、称え合いました。
それから各区長の「参睦一据(さんぼくいっせい)」で顔合わせを締めました。
これは3人が順に口上を述べ「たたたん、たたたん、た」のリズムで手締めする、小田に独特のものです。

八坂神社へのお神輿の宮入り

顔合わせが終わるとアップテンポの参切太鼓が、お神輿が八坂神社にお戻りになる「宮入り」の始まりを告げます。
小田東部の区長の先導で、お囃子、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)、お神輿が、騎馬武者通りをゆっくり練り歩いていきます。

この時に奏でる「御神輿(ごじんこ)囃子」は、遅過(のろすぎ)、双ツ(ふたつ)、欧過(おおすぎ)と、3段に調子が変わり、厳かで格調の高さを感じる調べです。
そしてお神輿が本殿に収まった時、ひと際高い篠笛の合図で散切(さんぎり)太鼓が打ち鳴らされます。そのあと改めて拝殿でお神酒をいただき、参睦一据で小田祇園祭の行事を終えました。

小田祇園祭は、夜の勇猛な顔合わせに目を奪われます。
しかし祭り全体を通して、大変多くの関係する方々が言葉を交わさなくても連携して動けているのは、一日中さまざまに表情を変えて奏でられ、局面ごとの意味を告げ感情を揺さぶるお囃子があるから、という側面もあります。
ぜひお囃子にも着目して、お祭りを鑑賞してみてはいかがでしょうか。

主催者である区会のみなさま、小田大獅子保存会、八坂神社お囃子保存会のみなさま、長い一日本当にお疲れ様でした。
そして取材へのご協力、ありがとうございました。

記者:めーさん、撮影:TKCツーリング

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