祭りのシーズン
2025年7月19日(土)に執り行われる小田祇園祭に向け、今年も神域を作る結界(統示)が町内10ヶ所に張られました。
小田祇園祭は、スサノオノミコトとヤマタノオロチの出会いをお神輿と大獅子で模した「顔合わせ」など、大掛かりで独特な文化を今なお受け継ぐ異色の祭りです。
統示が張られると、いよいよ本格的な祭りのシーズン。
これから当日まで、小田では次第に熱気が高まってきます。
このホームページでは、小田祇園祭の準備からを終了まで、その様子をお届けして参ります。
よかったら、今年も小田祇園祭にお越しください!
統示張り
統示を張る場所には、両側に竹を立て、間にしめ縄を張ります。
そこでまず町内の裏庭から、姿の良い長く育った真竹を切り出させて頂きました。
それからそれぞれの設置場所に向かい、竹を立てていきます。
「思ってたより高くないか?」と竹を切ると、今度はバスが通ります。
「ひと月するともっとたるむから、バスに引っかかる。」と、竹を外して縄をしめ直します。
すると「紙垂が真ん中にない!」と、また外して付け直します。
さらには車が通るたびに中断するのですが、そこはドライバーの方も心得たもの。
作業のキリが良いところまで待ってくれます。
そしてようやく会心の出来になりました。
「顔合わせ」の場となる、小田中部と小田東部の境界は、ちょうど小田東部バス停のあたりです。
そこには両脇のお庭に杭を立て、とりわけ長くて立派な竹を立てました。
このしめ縄を境に、お神輿と大獅子が競り合う姿は、きっと絵になることでしょう。
最後の八坂神社の鳥居には、特別な張り方をします。
何代にもわたって毎年ここに張り続けたので、柱には既に上下3ヵ所のくぼみができていました。
そこに下から7回、5回、3回、縄を巻く決まりがあります。
緑の真竹で彩られた鳥居は、しっとりしたお社になじみ、厳かな佇まいを感じさせていました。
祭りと町のつながり
祭りがおこなわれる小田の町は、東部、中部、西部地区に分かれています。
統示張りの作業は、祭りの中心である八坂神社が鎮座する小田東部を、さらに5組に分けた当番が持ち回りで行っているそうです。
それでも今年の参加者は約20名。
親の代理という初参加の若者から長老まで、小さな町にこんなに人がいたのかと思う程の参加率でした。
今回はコロナの時期を挟み7年ぶりだったので、はじめは要領を忘れていたらしいです。
でも定期的に行うから、思い出して若い方にも教えることができているのですね。
それに「こんな行事があるから、いつも話さないような人とも話せるんだよなあ。」とのこと。
作業の後の昼食会では、ご近所との会話が弾んでいました。
小田祇園祭はひとつの伝統文化でありながら、小田のみなさまが毎年世代を超えたつながりと、町への愛着を新たにする仕組みでもあることを感じました。

過去の小田祇園祭の記事は、下記の一覧ページからご覧いただけます。