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小田の3つの万灯 – お不動様

小田の3つの万灯 - お不動様 ギャラリー
小田の3つの万灯 - お不動様

つくば市小田に伝わる「3つの万灯」のひとつ、小田中部のお不動様万灯が執り行われました。

宝篋山の中腹にあるお不動様には、山肌に露出した巨岩に彫られた「磨崖不動明王立像(まがいふどうみょうおうりつぞう)」が祀られています。
この像はつくば市指定彫刻、12世紀前半の作とされるものです。
年に2回、1月と8月の祭礼では「磨崖不動明王立像」の御簾を外し、8月には万灯とお囃子も奉納します。
現在に至るまで絶えることなく引き継がれてきたと言われる、このお不動様万灯の様子をお伝えします。

巨岩に刻まれたお不動様

宝篋山小田城コースの入り口から、山奥に分け入るように参道を登っていくと、何か現代らしからぬひんやりと荒々しい空気を感じます。
参拝者によって踏み固められた素朴な道に、足が半分しか載らない急な階段。
道中にある数々のお地蔵様や祠。獣たちが住むうっそうとした森。
こうしたもの全てが、平安時代より古くからの信仰を物語っているようです。

参道の奥には向かって左にお不動様、右に大日如来のお社があります。
そしてこの日は背後の断崖に「磨崖不動明王立像」のお姿が拝めました。
下から撮影したので写真は上体までですが、ほぼ等身大の全身像だそうです。
風化はしているものの、力強いラインで表現されていることが分かります。

祭りの日には、お札や安産祈願のお守り「ご宝剣咒」も配られます。
中身が青色の帯なら男児、桃色の帯なら女児が生まれると言われています。

参道に連なる万灯とお囃子

お不動様の参道は、小田小交流プラザの裏のつくば千代田線が入口です。
日暮れ頃にそこで参切太鼓をたたくと、万灯の時の特別なお囃子を奏でながら県道125号線を渡り、山中に入っていきます。
参道の子どもたちが絵を描いた万灯にも灯りが入り、幻想的な風景が続きました。

最後の階段の下に着くと散切太鼓でお囃子が終わり、お社の前でお神酒を酌み交わすと、参睦一据(さんぼくいっせい)で手締めをしました。
この手締めの方法は特有もので、地元の方も小田の神事の時にだけ使うそうです。

それからお囃子の方々もそれぞれに、お不動様に手を合わせていらっしゃいました。
お社に供えられた竹筒の万灯は、地元のアーチストが不動明王の梵字からデザインして製作したものだそうです。
参道にも同じ方が製作した万灯が百以上も並び、祭りに華を添えていました。
今年もこうして、小田の方々のご尽力により、お不動様万灯が引き継がれました。

記者:めーさん、動画撮影:TKCツーリング

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