小田祇園祭の主役のひとつ、小田東部地区の八坂神社お囃子保存会の練習が、佳境に入ってきました。
この記事では、練習の様子とそこで伺ったこの会の歴史についてまとめます。
お囃子と子どもたち
小田東部八坂神社境内の練習でまず目を引くことは、年齢層の広さと若さです。
この会は、40年くらい前に設立したとのこと。
それまで祭りのお囃子は、町内の当番の組が持ち回りで担当していました。
ところが後継の育成がうまくいかずに消滅の危機に陥り、当時30代の初期メンバーに立ち上げの依頼があったそうです。
そのため現在は、彼らからすると3代目の子どもたちが入ってきています。
この日も今年から練習を始めたという5才の弟と、お兄ちゃんが来ていました。
楽譜がある洋楽と違い、お囃子の節回しは耳で覚えるそうです。
もう当たり前のように、みんなの中に参加して太鼓をたたいていました。
大人子ども関係なく練習前の掃除や片付け、あいさつができているところも、お囃子を通して子どもたちを育ててきた様子が伺われます。
もう一度つながれた文化
現在の主力は、2代目の20~40代あたり。
お囃子をしている親に連れてこられて、始めた方が多いようです。
それでも受験や就職などで一時的に離れる時期を経ても、また続けているということになります。
結婚して栃木県に住んでいる方が、この日は故郷に戻りお囃子の練習に参加していました。
小田祇園祭の当日も、東京都内などに就職した方々がお囃子に参加するために戻ってくると聞きます。
日本経済が絶頂に至る40年前に、私たちは便利な生活を享受できるようになった一方で、文化的な豊かさの価値を忘れていたのかもしれません。
毎年、神様に奉納するお囃子。
それは経済成長を知らない現代の若い世代にも、というよりだからこそ、受け入れられているのだと思いました。
祭り当日のお囃子の予定
7月19日は9時頃から15時頃まで、八坂神社お囃子保存会は町内を囃し立てながら、お神輿の露払いをします。
そのあと20時頃からお神輿を担ぎ、大獅子との顔合わせに向かいます。
祭りの最後にお神輿が八坂神社にお帰りになる、「宮入り」では「御神輿囃子(ごじんこばやし)」という雅で格調高い調べを奏でます。
ぜひ生のお囃子を堪能しに、小田にお越しくださいませ。
お囃子を感じてみよう
どんなものなのかは、実際にその空気を感じてみると分かります。
八坂神社お囃子保存会は小田地区に限定せずに、お囃子に興味がある方に広く門戸を開放しています。
この記事にある小田東部八坂神社境内の小田東部児童館での練習も、自由に見学できます。
小田地区は、外から来た人にも寛容な町だと感じます。
筆者は他の地域から小田のまちづくりに参加していますが、他にも同じような方が多くいることからもそれが伺われます。
会員募集の詳細は、下記のチラシをご参照ください。
ご連絡・お問合せは、八坂神社お囃子保存会が新規開設したインスタグラムまでどうぞ。
末尾にリンクボタンを貼っておきます。
