ありがたいことに今年も小田祇園祭は、勇猛なお神輿と大獅子の顔合わせを見に来られた大勢の方々でにぎわいました。
これらは夜に執り行われるので、小田祇園祭といえば夜の祭りのイメージが強いかと思います。
でもこの祭りにはもう一つ、脈々と受け継がれている昼の姿があります。
お囃子とお神輿の巡幸
朝の9時にはお囃子が町内の各軒を回り始めます。
一軒ごとにご家族がお出迎えする中、太鼓を一曲叩き奉納をいただきます。
去年に比べれば多少風があったものの、今年も真夏の太陽が容赦なく照り続けました。
すると時々お宅の軒先で、軽食や飲み物を振舞ってくださる住民の方がいらっしゃいます。
そういう所ではみなさんの表情が生き返り、談笑も始まります。
そして一服するとまた、次のお宅に歩み始めました。
午後になると、拝殿でお祓いを受けたお神輿が町内の巡幸に出立しました。
いくつかの町の端では、神主によるお祓いがあり、また次の場所に移ります。
一日をかけて、重層的に祭りが進行していきます。
お囃子が町内を一通り回り終わる頃には、もう日が傾いていました。
この長い一日を、さまざまな立場の方々が、それぞれの持ち場で支えていることが分かりました。
子どもたちの祭り
小田祇園祭では、子どもたちも活躍します。
小田東部では本物より小ぶりの子ども神輿を引きます。
そして小田西部でも太鼓を積んだ山車を引き、教えてもらったお囃子を披露します。
小田中部の子獅子は、毎年大獅子と共に大人たちが作り直してくれるもの。
それぞれの保護者が見守る中、今年も頑張っていました。
どこの町でもここまで祭りができるものではないと思います。
いつか大人になってから、このように地域の方々に囲まれて過ごしたことを、懐かしく思い出してくれたらいいですね。
大獅子の担ぎ回し
大獅子の出番は顔合わせだけでなく、実は日中にも町内を担ぎ回されます。
小田は小田城の城郭を元にした町割りなので、車がやっと通れるくらいの細い道が多いです。
そこに巨大な大獅子がどんどん入っていき、いくつかの町の端で空高く揉まれます。
担ぎ手には近隣から北条や藤沢、遠くは神奈川県からも応援が来てくれていました。
みなさんいいお顔で、祭りを楽しんでいらっしゃることが分かります。
「毎年日があるうちから来ている」というカメラマンも、県外から来られていました。
大獅子内部の担ぎ手や太鼓の打ち手たち、一人一人の表情まで大迫力で迫れるのは、確かに昼ならではの楽しみ方です。
そして顔合わせに向けて、嫌でも気分が高まります。
これからは昼の小田祇園祭からも、目が離せません。
記者:めーさん、撮影:TKCツーリング