小田祇園祭の主役の一角、大獅子の製作が小田大獅子保存会の手により田向延寿院で行われています。
そこで祭りの当日(2024年7月20日)には見られない、内部構造や舞台裏を覗いてきました。
大獅子の土台製作
この日は真夏のような暑さの中、10mを超える巨大な土台を竹で組み上げる男たちの熱い現場が見られました。
町内から切り出した竹を組んだ骨格に、割った竹を編むように通します。
端にきたら、バーナーであぶりながら折り返し、荒縄で最後には固く締め上げていきます。
土台の尻側は丸太を重しとし、対する頭側にはこれから獅子頭が入ります。
竹を用いながらも、敢えて接続部にわずかな遊びを持たせたトラス構造を採用することで、軽さと強さを両立させる、古からの日本らしい高い技術を感じました。
祭りを支える文化の継承
獅子頭は2体ありますが、現在は金色の方が使われています。
どちらも角のない雌の獅子なので、嫉妬しないように男性が担ぐのだそうです。
納められた木箱の蓋裏には、寄進や修復に携わった方々の署名が、びっしりと書き込まれています。
その中には小田が生んだ農政学者、長島尉信が土浦藩に致仕したのち小田に戻った慶応元年(1865年)に、志願成就を謝して奉納した際の署名も見られました。(10枚目左下)
小田の大獅子は、完成すればおよそ1トンと言われています。
さらに「顔合わせ」では、お神輿と激しく高さを競い合います。
大獅子作りは、担ぎ手30人がまさに身体を預けることになる、大切で真剣な作業です。
それを毎年このように受け継いでこられた、小田大獅子保存会の方々に敬意を表します。
祭り当日の大獅子の予定
祭りの当日「顔合わせ」まで、大獅子とお神輿は別のルートで町内を巡回します。
大獅子は小田中部地区内を、17時頃から巡行を始め、20時頃から最初のお神輿との「顔合わせ」、21時半には最後の本番の「顔合わせ」が終わる予定です。
小田祇園祭での大獅子の姿に、ぜひご注目ください。
より詳しい情報が得られる、小田大獅子保存会のホームページとSNSには、下記ボタンから入れます。
小田大獅子保存会には、小田地区の内外問わず高校生以上が、入会して活動に参加できるそうです。
小田協議会では、より完成形に近づいた大獅子を来週あたりに再取材する予定です。
こちらもどうぞお楽しみに。