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小田祇園祭 – 1週間前の風景

小田祇園祭-1週間前のまち ギャラリー
小田祇園祭-1週間前のまち

小田祇園祭まであと1週間の週末に、改めて祭りで活動されている方々をお訪ねしました。

大獅子製作の最終段階

田向延寿院では小雨の中、大獅子製作が佳境を迎え、獅子頭を胴体に取り付けていました。
「一番目に付く所だから」と、左右の水平、上下の角度を、ミリ単位で微調整しています。
よく見ると獅子頭には、あちこちにキズ跡がありました。
祭りの「顔合わせ」をはじめ、激しい動きが多いので、傷んでしまうそうです。
それを代々の製作者が、和紙と紙粘土を用いて繰り返し修復してきたとのこと。
まさに歴戦の証です。

獅子の首には、髪の毛に見立てる「神藻(モク)」を、祭り直前に付けます。
神藻はササバモという2mほどにも成長する水草を、毎年採取したのち陰干して作ります。
胴体部分も荒縄で、全体が締め上げられました。
祭り当日にはこれに6本の竹製の脚がつき、布がかけられます。
脚は長い方から一番棒、二番棒、三番棒と呼ばれ、各々3人で支えます。
その他も含め合計30人が、周りの動きを見ながら呼吸を合わせて、獅子のダイナミックな動きを出しているのだそうです。

遺すものと変えるもの

「祭りは伝統でありながら、エンターテインメント。」
「基本を大切にしながらも、見る人に楽しんでもらえる動きをどう出すか、試行錯誤しています。そうでなければ伝統も続かないので。」
大獅子保存会の方がそう語ってくれました。
小田祇園祭は約370年前に始まって以来、やり方を調整しながら今の姿に至ってます。
むしろこの温故知新の精神こそが、祭りの伝統なのかもしれません。
大獅子と併せて作られる「子獅子」を担ぐ小学生たちにも、きっとそれが受け継がれますように。

この日東部八坂神社では「お出(オデ)」の儀式が行われ、お神輿が本殿から拝殿にお出座しになりました。
ようやく雨が上がり、境内の大きなケヤキからこぼれ落ちる木漏れ日が、「今年も始まるなあ」と笑っているようでした。

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