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小田祇園祭 – 2024年当日

2024年小田祇園祭 ギャラリー
2024年小田祇園祭

2024年7月20日(土)、つくば市小田で早朝から深夜にわたる一連の祭り行事が執り行われました。
江戸中期から続く伝統と趣向を凝らした非日常の空間に、来訪した方々も引き込まれるようでした。
じりじりと体力を削られる猛暑の中、主催者である区会のみなさま、小田大獅子保存会、八坂神社お囃子保存会のみなさま、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。

祈りとお囃子の巡行

この日の小田は一日中、お囃子の音色に包まれました。
小田東部をお囃子保存会、中部を大獅子保存会を中心とする方々が、無病息災、家内安全、五穀豊穣を祈り、お囃子を奏でながら巡回しているのです。
東部のお宅のご家族が出迎える前では、縁起の良い「参切(サンギリ)太鼓」が叩かれ、「おめでとうございます」とあいさつが交わされていました。
中部では「神藻(モク)」と呼ばれる、大獅子の髪と同じ乾燥させた水草を、縁起物として配ります。
小田小交流プラザもお祓いを受け、いただいた「神藻」をエントランスに掛けました。
昼過ぎからは八坂神社の神官によるご祈祷を経て、お神輿がご巡幸に向かいました。

夜空に舞う大獅子

日が暮れる頃にはお神輿は東部の、大獅子は中部のそれぞれの場所で待機していました。
製作段階から見てきたのに、夜に見る巨大な大獅子は、そこにあるだけでまさに異様です。
「顔合わせ」が始まると、30人の担ぎ手たちの雄叫びのような歓声とともに、それが所狭しと空中を舞い、お神輿と高さを競い合いました。

東部と中部の境界に張られた「統示(トウジ)」と呼ばれるしめ縄は、互いに超えてはならない決まりです。
そのため「統示」の下では区長たちが提灯を掲げ、闘いの様子を見守ります。

大獅子と闘うお神輿

八坂神社のお神輿は、金の鳳凰を頂く絢爛豪華な造りです。
普段は本殿に鎮座しているこのお神輿も、「顔合わせ」では歓声とともに高く高く掲げられ、ほとんど立ち上がるほどでした。

「統示」から少し離れた沿道で、ご家族に付き添われた車いすの年配の方が、終始この様子をご覧になっていました。毎年楽しみにしてこられたのでしょう。
八坂神社で出会った外国の方も、「この日に合わせて、毎年渡航している」とおっしゃっていました。
もっと大きなお祭りは全国にたくさんありますが、小田祇園祭には一度見た人を惹きつけ続ける魅力があるのだろうと思います。

八坂神社への宮入り

辺りに「参切太鼓」が鳴り響き、「参睦一据(サンボクイッセイ)」という独特の手締めで「顔合わせ」が終わると、そこからは「宮入り」が始まりました。
区会に続き、厳かな「御神輿(ゴジンコ)囃子」を奏でるお囃子に先導され、お神輿がゆったりとした足取りで八坂神社の本殿に向かいます。
鳥居をくぐり奥に入るにつれて調子が変わり、本殿に納まるとひと際高い笛の音でお囃子が終わります。
ここで改めて「散切(サンギリ)太鼓」と「参睦一据」で、小田祇園祭の全体が終了しました。

進学や就職などのために引っ越しを繰り返す「現代人」の私たちでさえ、かつてそこに居た、いつだったか訪れた、という懐かしい記憶がふと甦り、その土地とのつながりを感じることがあります。
こうした同じ体験を通して、生まれてからずっと住んでいてもいなくても、筑波山麓のこの小さなまちは「ふるさと」になっていくのでしょう。

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